『いきなりステーキ』のここが駄目、センスがないと感じた所。

この記事を書いている段階において、『いきなりステーキ』は窮地に立たされているようです。

赤字転落に海外店舗の相次ぐ閉店、さらにはステーキ以外のメニューを拡大してみたりと、見方によっては迷走ともとれる状態になっています。

個人的に牛肉は大好物ですし、牛肉の食べ方としては薄切りの『焼き肉スタイル』よりも厚切りの『ステーキスタイル』の方が好みなので、『いきなりステーキ』も度々利用しています。

そんな『いきなりステーキ』に関して、個人的に「ココが駄目」、「こんな所がセンスない」と前々から思っていた点について語って行きたいと思います。

もう「立ち食いステーキ」ではない

都会の店舗は現状でも立ち食いスタイルがメインの店舗もあるようですが、地方都市の店舗においては最早「立ち食いステーキ」というスタイルではありませんよね。

都会の店舗にしても、よほど人の集まる駅前立地のような環境でもなければ、大半は椅子席になっているのが現状でしょう。

こういった『いきなりステーキ』の変化、これは個人的に全く問題ないと思っています。

顧客のニーズを意識するのは外食産業として当然の事ですから、椅子席のほうが良いと思うお客さんが多いのであれば、そういった形態に移行するのは当然と言えば当然の事でしょう。

問題はスタイルの変化ではなく、その立ち食いスタイルを悪い意味で引きずっている事にあります。

立ち食いじゃないのに立ち食いを前提とした店舗パッケージ

センスがないのはココ、現状全く立ち食いスタイルではないのに、店舗の設計が立ち食いを想定したものになっている点です。

例えば自分の住んでいる地域にある店舗も、全国展開後の例にもれず全席椅子席なのですが、その椅子は立ち食いを想定したテーブルに合わせた高さで作られた椅子の席がメインなんですよね。

つまり、椅子をどかせばいつでも立ち食いスタイルに変化できるような店舗設計になっている訳です(数席分は座面の低い椅子席も用意されてはいますが)。

最近は立ち食いを想定していない(座面の低い)椅子席が多い店舗も増えてきたようですが、それでも相変わらずテーブルは狭かったりとちぐはぐな点が散見されます。

無用な立ち食いスタイル

椅子を退かせばすぐに立ち食いスタイルへ変化する店舗設計、これが生かされる事なんてあるんでしょうか?

『いきなりステーキ』の本来的なコンセプトは、人が集りやすいものの家賃が高い立地で、お客さんの回転率を上げつつ低単価でステーキを提供する事だったと思います。

しかしそれはあくまでも大都会の一等地に出店する場合の戦略であり、郊外店や地方都市への出店では、全く違ったアプローチが必須だったはず。

家賃や地代が安く済む環境であれば、無理に客の回転率を上げなくても良いでしょうから、立ち食いスタイルにこだわる必然性がありません。

実際、自分の地域にある店舗は多くの人が車で来店するような郊外型の店舗ですから、こんな場所で立ち食いスタイルを実現する意味など全くないに等しいでしょう。

にもかかわらず、店舗設計を都市型の(立ち食いスタイルを前提とする)ものから変えずに全国展開してしまったのは、あまりにもお粗末と言わざるを得ません。

杓子定規な店舗パッケージではなく、環境に合わせたスタイルを用意し、それぞれの立地に合わせて使い分けるべきだったことは言うまでもない事です。

今後は恐らくそういった点に配慮した店舗が増えて行く事でしょうが、全国展開の最初の段階でそれが出来なかった(店舗があった)のは大きな失態でした。

座り心地の悪い椅子と狭いテーブル

立ち食いスタイルを引きずる事による弊害は、主に椅子とテーブルに現れています。

立ち食いスタイルを前提とした席に置かれている椅子は座面が高いタイプであるため、座りにくいだけではなく座り心地も微妙で、特に子供やお年寄りにはツライと感じられるものではないでしょうか。

さらには狭い店舗スペースを前提としてしまっている事で、一人あたりのテーブル面積が極端に狭く、ゆったりと出来るような空間とは程遠い状況が散見されます。

これでは興味を持って訪れた家族連れのお客さんが再来店してくれる可能性は極端に下がってしまう事でしょう。

一人で利用する客にとっても居心地の悪さは大問題ですが、外食産業としてファミリー層への訴求が弱い点は、特に郊外点や地方都市への出店において致命傷となっているんじゃないでしょうか。

煩わしい注文スタイル

『いきなりステーキ』では、ランチタイム以外は客が座席から立って肉を注文しに行かなければいけません。

これは、肉をグラム単価いくらといった金額で提供している事で、調理人が客から指定された重量を目安にして切り分けた肉を秤に乗せ「この重量で宜しいでしょうか」(つまり、この重量分の料金を頂きますが宜しいでしょうか)という確認を要する事から生まれた注文方式なんですが、はっきり言って面倒なんですよね。

空いている時ならまだしも混んでいる時なんて本当に最悪で、店の中で注文の列に並ばなければいけない状況となります。

この方式自体は否定しませんが、これをやるならそれこそ店舗内の設計やら注文の手順をもっと洗練させなくては、何とも間抜けな注文行列が店内に形成されてしまう事に。

いっそランチタイムと同様に、多少肉量に誤差が出るのは目を瞑るとして、席に座ったまま肉が運ばれてくるのを待っていたいと思うのが率直な感想ではあります。

肉マイレージカードのランクが大味すぎる

食べた肉のグラム数が蓄積されていく『肉マイレージカード』ですが、このランク区分がなんとも大味というか、訴求性に欠けるんです。

特典内容が微妙

ゴールドカード以上でソフトドリンクが1杯無料になるのは嬉しいのですが、そもそも肉を食べに行っているので、例えばステーキと一緒にコーラを飲みたいかと言われるとかなり微妙。

結果、貰ったコーラ(缶で出て来る)をそのまま持ち帰る事が多いので、有難いような余計なような微妙な心地になります。

どうせなら肉の注文に関係する特典がついてくれると嬉しいのですが、そういった事は何もなし(誕生日にステーキをプレゼントしてくれるサービスはあり)。

個人的には、ランクに合わせて付け合わせを増やしたり出来れば良いのに…とも思っています(例えばコーンをブロッコリーに変更して、さらにインゲンを無料でプラスできるなど)。

ランク区分がザックリしすぎている

3000gでゴールドカードへランクアップまでは良しとしましょう。

しかし、ゴールドの次のプラチナカードが20000gというのは、間が空き過ぎでしょう。

20000gというのは、一度の来店で300gのステーキを食べる人だと約67回の来店を要するグラム数です。

週に一回の来店を一年間続けても届かない数字という事になり、それはもう途方もない金額の注文を要します。

その割にランク特典は然程豪華なものでもなく、少なくとも特典目当てにランクを上げようとする人などは皆無でしょう。

なぜもっと流動的に、一定期間のグラム数などで変化する会員ランク制を採用しないのでしょうか。

もっと細かくランク付けを行い、特典を強化して毎月の来店動機につなげる策をもっと積極的に展開するべきでしょう。

せっかくプリペイド機能付きで色々と出来る要素のあるカードを作ったのに、全く上手に活用できていないのが残念でなりません。

いきなりステーキのイマイチな所まとめ

ここまで語って来た不満点をまとめますと

  • 立ち食いスタイルを引きずる事で、居心地の悪い店内になっている
  • 注文スタイルが煩わしい、洗練されていない
  • 肉マイレージカードを上手く活用出来ていない

こういった所に大きな不満を感じています。

他にも色々と改善点はあるのでしょうが、まずは上記の3項目だけでも改善してくれたら、それだけでも随分と印象は良くなると思うのです。

せめて肉マイレージに関しては、比較的簡単に対応できる部分だと思いますから、速やかに意義ある肉マイレージカードへ生まれ変わってくれる事を期待したい所。

色々と不満点を語って来ましたが、手軽にステーキを食べれるコンセプトは素晴らしいものだと思いますので、より洗練された店舗として逆風に負けず生き残って欲しいと思っています。


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