糖質制限ダイエットが普及して、今ではかなり一般的になりましたよね。
糖質制限食はもうダイエット方法という範疇に留まらず、これからの新しい食生活において標準的なスタンスとして世の中に浸透していくんじゃないでしょうか。
なぜなら、世の中の様々な病気の背景に糖質の過剰摂取というものが深く関わっているからです。
「糖質過剰症候群」とは
「糖質過剰症候群」という言葉は、こちらの書籍で提唱されているものです。
肥満や糖尿病は勿論の事、様々な病気の原因には糖質の過剰摂取があるという事を著者は力説しており、その内容も非常に理に適ったものとなっています。
もちろん全ての病気が糖質の過剰摂取によるものだという訳ではありませんが、本当に驚くほど多くの病気が糖質を原因に引き起こされていると思われるのです。
糖質 を 過剰 に 摂取 し た こと が 原因 で 起きる 病気 を、 この 本 では「 糖質 過剰 症候群」 と 呼ん で いる。「 糖質 過剰 病」 でも よい が、 一応、 まだ 原因 が 確定 し た わけ では ない ので、「 症候群」 とさ せ て いただい た。 正式 な 病名 では ない が、 最も 根本的 な 原因 を 言い当て た 病名 で あり、 様々 な 病気 の 根幹 が 同じ こと だ と 考える と、 最も ふさわしい 病名 だ と 思う。
清水 泰行. 「糖質過剰」症候群~あらゆる病に共通する原因~ (光文社新書) (Kindle の位置No.77-80). 光文社.
この本を読むと実感しますが、我々の体にとって糖質を摂取し、それを体内に取り込む事で起こる現象は体にとっては「毒物を解毒する」のと大差ないもののようです。
つまり、本来人間の体が大量に食べる事を想定していないもの(糖質)を相当量摂取した場合、体が何とかそれを無毒化して取り込もうとした結果、その弊害が体の各所に現れる事になる…これが「糖質過剰症候群」の正体なのでしょう。
これも糖質過多が原因!?様々な病気との意外な関連
糖質過剰症候群の例として分かりやすいのは、肥満や糖尿病だと思います。
しかしこれら以外にも根底に糖質の過剰摂取という原因が埋もれていると思われるものは数多くあります。
- 認知症(アルツハイマー病)
- うつ病(その他精神疾患)
- 心臓疾患
- 非アルコール性脂肪肝
- がん
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
- 多嚢胞性卵巣症候群
- 不妊症
- 妊娠糖尿病
- 白内障
- 緑内障
- 加齢黄斑変性
- サルコペニア
- 腰痛
- 骨粗しょう症
- 五十肩
- 脱毛症
- ニキビ
- パーキンソン病
- 頻尿
- 難聴
- 甲状腺機能低下症
どうです?これだけ様々な病気の原因に、程度の差こそあれ糖質の過剰摂取が関わっている可能性が高いのです。
先ほど紹介した本ではこれ以外にも様々な病気の原因に糖質過剰摂取があるとされており、その説明も非常に納得のいくものでした。
もちろんこれらの病気すべてにおいて最大の要因が糖質過剰症候群であると言えるわけではないとの事ですが、その関連性は一般的に考えられているよりも遥かに根深いものがあると考えた方が良いでしょう。
原因不明の体調不良や病気は「糖質」を疑うべし
先ほど挙げた糖質過剰摂取が関連していると思われる病気を見て行くと、治療が困難(あるいは現状の医学では完治できない)な病気が多い事に気付きます。
これはひょっとすると、これらの病気の前提に「糖質過剰症候群」という容態が存在するという認識が医学的に浸透していないから、そういった視点での研究が進んでいない事によって難病化しているのでは?とも思えて来ます。
最近は様々な分野で糖質制限という概念を用いた治療の研究が進んでいるらしいので、こういった難病が減る(そして治療法が確立される)事を期待したいですね。
こういった明確な病名が付いているもの以外にも、「何となく体調が悪い」「だるい」「体が痛い」「気分が重い」など日々で感じるちょっとした体調不良も、ひょっとしたら糖質の過剰摂取が原因で起こっているのかも知れません。
我々に出来ることとして、とりあえず「なんか調子悪いな…」と感じたら、とりあえず糖質を減らしてみる事。
それだけで原因の分からなかった体調不良や病気がすっきり消えてなくなる可能性も十分にありますから。
超ローリスクハイリターンな糖質制限
糖質制限に関する懐疑的な意見が以前は多く聞かれましたが、最近ではそういった意見も随分と見かけなくなりました。
というのも、そもそも糖質制限=危険と主張していた主に医療関係の方々の認識として、糖質制限をすると体の中で生成される「ケトン体」というものが以前は「良くないモノ」であると教えられていたというのがあったんですよね。
しかし近年になってその認識が間違いであった事が分かって来た事で、以前のような「糖質制限なんてしたらケトン体が増えて危険だ!」といった主張は聞かれなくなってきたんです。
むしろケトン体は体にとって非常に合理的なエネルギー源であり、様々な保護作用を有する事が分かって来た事で、ケトン体を難病治療に活用する流れも本格的となって来ました。
その結果、現状の糖質制限に対して懐疑的な意見は「糖質を全く取らなかった場合にはひょっとしたら体に良くない可能性もあり得る」といったような、「何とも言えない所があるけど極端なのは良くない気がする」といった印象の延長上にあるような話が存在する程度で、かなり安全性の高い食事法であると言えるでしょう。
かみ砕いて言えば「正しく実行すればこれといったリスクが見当たらないのに、抱えている体の問題を綺麗さっぱり解決できる可能性がある」のが糖質制限食であり、これはもう超ローリスクでハイリターンを狙える非常に「おいしい」状況なんです。
正しく実行するとはつまり…
- 糖質を出来るだけ減らす
- 糖質を減らした分をタンパク質と脂質で補う(エネルギー不足にならないように)
- 野菜などからビタミンや食物繊維を確りと補給する
こういった点に気を付けて実行する分には健康面で何か問題が増える可能性は極めて低く、逆に様々な問題が解決する可能性が大いにあります。
是非とも何かしら解決方法が分からない病気や体調不良を抱えている人にはチャレンジしてもらいたい食事法ですし、そうでなくとも病気の予防といった観点からも全ての人にお勧め出来る食生活の在り方だと言えるでしょう。