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男の身だしなみを考えた場合、真っ先に思い当たる要素の一つとして『髭(ヒゲ)』がありますよね。
自分はヒゲが比較的濃い方なので、髭剃り道具に関してはこだわりを持って選定しています。
この記事では、自分が実際に試してみた主要メーカーのカミソリ(ヒゲソリ)についてのレビューと、実際にどの商品がお勧めであるかを詳しく語って行きたいと思います。
カミソリメーカー
日本国内におけるカミソリのシェアーから、主要メーカー4社をピックアップしました。
貝印
貝印株式会社(KAI Corporation)は、1908年に岐阜県関市で創業され、現在では東京都千代田区に本社を置く、総合刃物メーカーです。同社は刃物を中心に、キッチン用品、製菓用品、美容ケア用品、医療用刃物など幅広い製品を展開しています。これらの製品は、日本国内だけでなく世界中で高い評価を受けています。
貝印は「DUPS^{3}」という商品開発哲学を採用しており、デザイン性、独自性、特許価値、安全性、ストーリー性、持続可能性を重視しています。この哲学に基づき、貝印は革新的で高品質な製品を提供し続けています。また、環境保護や持続可能な経営にも力を入れており、材料選びから廃棄まで環境に配慮した取り組みを行っています。
一般的にはカミソリのメーカーと言うよりも、刃物メーカーとして有名でしょう。関孫六シリーズなどは、どのホームセンターでも見かける定番商品です。
フェザー安全剃刀
フェザー安全剃刀株式会社(Feather Safety Razor Co., Ltd.)は、1932年に設立され、現在では大阪市北区に本社を構える日本の代表的な刃物メーカーです。同社は主に安全剃刀替刃やシェービング製品を製造・販売しており、その高い品質と信頼性から世界中のユーザーに愛されています。
フェザー安全剃刀は、「羽根で頬を撫でるような肌触り」というコンセプトから名前が付けられ、常に高い技術力と革新性を追求しています。1953年に現在の社名に変更され、以降、安全剃刀の他にも医療用メスや理美容用製品、工業用刃物など多岐にわたる製品ラインナップを展開しています。
製品開発においては、耐久性と切れ味に優れたステンレス製の両刃カミソリや、微細手術用のメスなど、高度な精密技術が要求される製品も手掛けています。また、使い捨てのシェービング製品や理美容用ハサミなど、プロフェッショナル向けの製品も充実しています。
ジレット(Gillette)
ジレット(Gillette)は、アメリカのパーソナルケア製品ブランドで、現在はプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の一部です。創業者キング・キャンプ・ジレットが1901年に発明した使い捨て剃刀刃は、業界に革命をもたらしました。この発明により、自宅で安全にシェービングできるようになり、ジレットは急速に普及しました。
最近では、5枚刃のフュージョンシリーズやプロシールドシリーズ、敏感肌用のスキングアードなど、多様な製品が展開されています。また、最新技術を用いた温熱剃刀など、革新的な製品も次々と登場しています。
ジレットは、品質の高さと顧客満足度を追求し続けており、世界中の多くのユーザーに愛用されています。公式サイトでは製品の詳細や使用方法、メンテナンス方法などが紹介されていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
シック(Schick)
シック(Schick)は、アメリカの発明家ジェイコブ・シックによって設立された安全剃刀ブランドです。現在、エッジウェル・パーソナルケアの傘下にあり、日本国内ではシック・ジャパン株式会社が製品の製造と販売を行っています。
シックの製品ラインナップは非常に幅広く、メンズ向けのハイドロやクアトロ、女性向けのハイドロシルクやイントゥイションなどがあります。また、シェービングフォームやシェービングジェルなどの関連製品も豊富に取り揃えています。シック・ジャパンは、国内ウェットシェービング市場で28年連続でシェアNo.1を維持しており、シェービング関連製品のリーダーとしての地位を確立しています。
シックの製品は、使いやすさと安全性に優れており、家庭用から業務用まで幅広いニーズに対応しています。最新技術を駆使した製品開発により、常にユーザーの期待に応え続けています。
各社フラグシップモデルの使用感と替刃価格の比較
ここで各社のフラグシップモデルと思われる商品の紹介と、その使用感や替刃の価格について比較してみましょう。
替刃の価格については、販売店や販売時期によって価格の違いがありますので、おおよその価格帯として判断材料として頂けますと幸いです。
【貝印】AUGER
貝印の最高スペック刃体を採用した、替刃式5枚刃カミソリ。
弾力性のある素材を使用した独立サスペンションと、3D首振り機能を搭載した“シームレスフィッティングシステム®”の採用により、業界No.1首振り可動域※1を実現しました。
首まわりからあご下付近へかけて、凹凸のある肌の面にも自然にフィットします。これまでにないスムーズな剃りごこちと、やさしい肌あたり※2で、快適に深剃りができます。https://www.kai-group.com/products/kamisori/product/auger.html
実際に使ってみた感想
5枚刃&サスペンションアームに加えて、横への動きにも対応した3D首振り機能を搭載しており、業界No.1首振り可動域と謳っている本製品。
一つ前のフラグシップ商品「axia」での課題であった肌へのフィット感は、この新たな機構によって大幅に改善されました。
欠点を補い利点は更に伸ばす・・・率直に言って替刃式カミソリの決定版ともいえる商品に仕上がっています。
貝印は使い捨てカミソリと替刃式カミソリの中間点のような製品として、Xfit(クロスフィット)というものを販売しています。
この商品は素晴らしい商品で、少し前までは個人的なイチオシだったのですが、AUGERはXfitの良さを包括する商品となっています。
そういった意味でも、この製品は貝印のカミソリ史上、一つの到達点に辿り着いた逸品と言えるのではないでしょうか。
替刃の価格
概ね1個あたり200~250円といった価格帯となっています。
カミソリの替刃としては安価な部類ではないでしょうか。
後に紹介する海外メーカーの替刃価格に比べると、非常に良心的な価格設定と言えます。
【フェザー安全剃刀】フェザー サムライエッジ
ヘッドのサスペンションが動く
ヘッド部分に搭載したサスペンションによるクッション機能で、肌に刃を押しあてても、過度な負担をかけずに力を伝え、やさしい肌あたりと密着感を実現。マルチ首振り機構
替刃の部分が前後・左右に動く[首振り機能]を搭載。頬や顎、鼻の下などのあらゆる顔の曲面に対し、刃が一定の角度を保ちフィット。剃り残しを防ぎます。独立ムーブ機構
それぞれの刃に独立したサスペンションを搭載。3枚の刃が独立して動くから、肌のわずかな凹凸にも繊細になじみ、ヒゲのみをキャッチ。肌に余計な負担をかけずに快適なシェービングを実現。https://www.feather.co.jp/samurai.htm
実際に使ってみた感想
肌への負担軽減&密着度アップを目的とした縦の首振りに、他社のカミソリと比べて非常に特徴的な可動式の機構を備えていて、こういった仕組みが大好きな身としては大好物。
しかしそれが実用面で有効かと言われると、正直かなり微妙。
剃っている時にも「カコン、カコン」と可動部分(黄緑の場所)が動くんですが、反応がやや鈍い。その結果、ヘッドの動きに遅れてホルダーが付いて行くような印象です。
こういったT字カミソリを利用する時、自分は人差し指を添えて利用するんですが、この可動部分がまさに指の置き所なんです。ここに指を当てると、稼働する部分なので非常に持ちづらいというのが大きな問題点でした。
刃の剃り心地自体は良好。表面をサァーっと撫でるだけで綺麗に剃れる刃という感じで、肌への負担が少ない印象です。
髭の薄い人にはこれで十分でしょうし、肌への負担が少ない点は大きなメリットでしょう。
しかし、自分のように深剃りを求めている人間からすると、少々物足りない剃り心地であるのも正直なところです。
替刃の価格
1個あたり概ね150~200円ほどの価格で販売されています。
貝印の替刃を凌駕する低価格を実現しており、この圧倒的なコスパがサムライエッジ最大の強みと言えるでしょう。
【ジレット(Gillette)】ジレット プログライド
肌の凹凸に密着 剃り残しゼロへ
プログライドはアンチフリクション加工が施された極薄5枚刃を搭載。フレックスボール テクノロジー採用で、刃がフェイスラインに密着し剃り残しほぼゼロを実現しました。https://gillette.jp/ja-jp/products/proglide
実際に使ってみた感想
自分は以前、ジレットフィージョンシリーズのユーザーだったんですが、久しぶりに買ってみたところ、思ったよりも仕様が変わっていました。
刃の前後にジェルスムーサーを搭載して、サスペンションアームだけではなくフレックスボールを用いる事で、横への可動性も備えています。肌へのフィット感は、数年前のフュージョンより格段に向上していますね。
刃の直前には髭を立たせる目的と思われるギザギザしたクシのようなものが装備されており、これの存在もあってか以前のフュージョンよりも剃り味が向上したように感じます。
以前のフュージョンは、刃の面積の広さと切れ心地を兼ね備えていましたが、どこか深剃りに不満のある剃り味でした。さらに肌への負担が比較的大きいこともあって、「早くてキレイだけど浅剃りで痛い」という印象でした。
一方このプロシールドは、以前のものに比べて肌への負担が格段に軽くなり、深剃り性能に関しても十分満足できる水準まで高まったと思います。
ちなみに電動タイプとノーマルタイプがありますが、肌への負担という意味では電動タイプの方がオススメです。電動による振動の有無によって肌への負担が違う事は体感でも分かりますので、ほんの少しだけの価格差分は十分に上回る効果を得られるでしょう。
替刃の価格
かなり多くの個数をまとめ買いした場合でも、1個あたり500円ぐらいはしています。
しかも500円というのは非常に安く買えた場合の価格であり、多くの販売店では1個あたり600円以上の価格設定となっているでしょう。
貝印やフェザーの替刃価格と比較すると、その価格の高さが際立ちますね。
経験上、刃の耐久性は低くないとは思います。とは言え、それにしても高いと言わざるを得ません。
【シック(Schick)】極 KIWAMI
カミソリならではの深剃りと上質な肌ケアの両立で理想のスタイルを表現できるSchick史上最高峰※モデル
https://schick.jp/
実際に使ってみた感想
5枚刃&サスペンションアームという装備は他社製品と変わらずですが、こちらの製品にはサスペンションアームの下にもう一段階衝撃を吸収する機構が備わっています。
これに関してはロックと解除を選べる仕様となっており、サスペンションアームだけで十分だと言う人はロックした状態での使用がお勧めです。
剃り心地としてまず特徴的なのは、これでもかと溶け出してくるジェル。
これは最初の頃だけの特徴ですが、シックのジェルスムーサーは他社のモノと比べても溶け出す割合が多いように思います。
剃り味、剃り心地としては、ジェルの存在感を横に置いておくのであれば目立った印象がありません。
しかしそれは決してマイナス点ではなく、つまるところ「過不足なくカミソリとしての役割を果たしてくれる」という印象に他なりません。
非常に総合力の高いカミソリだと思います。
他社の刃は、肌に優しい代わりに深剃りが微妙だったり、逆に剃り味は良いものの肌への負担が大きかったりと「彼方が立てば此方が立たず」といった印象のものが多いと感じます。その点KIWAMIはトータルバランスに優れたカミソリで、結果的には最も全方向的に安心できるカミソリ刃だと言えるでしょう。
極 KIWAMIには通常仕様と敏感肌仕様があります。実質的な違いは恐らく替刃の仕様(ジェルの成分が少し違う)だけですので、ホルダーの色(通常仕様が黒、敏感肌仕様がシルバー)の好みで選べば良いでしょう。
替刃の価格
1個あたり概ね400~500円程度で販売されています。
こちらも国内メーカー品と比べると非常に割高な価格設定になっています。ジレットと良い勝負ですね。
ジレットとの比較であればそれほど違和感はありませんが、貝印やフェザーと比較すると、その差は歴然としています。
やはり海外メーカー2社は、替刃のコスパは悪いと言わざるを得ません。
フラグシップモデルの比較結果
剃り心地 | 肌へのやさしさ | 替刃価格 | |
---|---|---|---|
貝印 | 〇 | 〇 | 〇 |
フェザー | △ | ◎ | ◎ |
ジレット | 〇 | 〇 | × |
シック | 〇 | ◎ | × |
各メーカーのフラグシップモデル使用感を比較したところ、上記のような形となりました。
剃り心地
実際に髭を剃る性能を包括的に見た評価ですが、貝印・ジレット・シックの三社に関してはどこを使っても大差ないという印象です。
単純な刃の切れ味自体は貝印に軍配が上がるようにも思いますが、実際に剃っている感触としてはジレットやシックが大きく劣るわけでもありません。
カミソリの刃というものは、刃物としての切れ味よりも肌への密着度や負担の少なさの方が重要なのではないかと感じます。あとは剃り残しの無さも大きなポイントですが、そういった視点で3社を比較すると、どれも大差ないという感想です。
フェザーに関しては、剃り残しが比較的目立った事から評価を下げています。これについては髭の薄い人であれば全く違った感想もあり得るでしょう。
『肌への負担』
剃り味とのトレードオフになりやすい部分ですが、この部分では『剃り味』で評価を下げたフェザーが最も優れているように感じました。髭の薄い方であれば、フェザーのカミソリを力を加えず軽く使うのが最適解かも知れません。
貝印は、AUGERになって肌へのフィット感が大幅にアップしました。axiaであったような肌を削る感覚がなくなり、非常に剃り心地の良いカミソリとなりましたね。
ジレットは以前の「フュージョン」では肌への負担が大きい印象でしたが、プログライドになってその点は改善されました。とは言え、やはり少々肌を削っているような感触は残っており、剃り終わった後の肌への負担は比較的高めに感じました。髭が薄い方なら力を入れずにサッと1回撫でるだけといった使い方をすれば肌への負担も少ないでしょう。
剃り味と肌への負担減を非常にうまく両立しているのはシックです。シックの刃は全体の接地面が大きい事から剃っている時の安定感が最も高く、しっかりと剃れつつ肌への負担も少ないという意味では一番良いように思います。
『替刃価格』
こちらは単純に替刃一つあたりの単価での比較となりますが、言って見れば国内メーカー二社と海外メーカー二社で価格が二分化している状況ですね。
国内メーカーではフェザーがコスパ最強ですが、貝印も十分に安いと言えます。
一方で海外メーカー2社の替刃価格は、フェザーや貝印の2倍どころではなく、3倍、下手をすると4倍以上にもなります。
替刃の価格があまりにも高いため、これを理由に国内メーカーに目を向ける人は多そうです。
最もお勧めできるカミソリはコチラ
各社の商品を比較した結果、使う人が求める要素毎にお勧めのカミソリが変わってくる事を感じました。
髭が薄い | 髭が濃い | |
---|---|---|
コスパ重視 | フェザーサムライエッジ | 貝印AUGER |
コスパ度外視 | ジレットプログライド | シック極KIWAMI |
フェザーサムライエッジの強みは、なんといっても替刃の圧倒的な高コスパ。この点に魅力を感じる人で、かつ髭が薄めの人であれば選択肢に十分入るでしょう。
ジレットプログライドは、総合的な完成度は高く剃り心地も良いものの、肌への負担はそこそこあり、替刃のコスパは最悪レベル。コスパを全く気にしない人で髭が薄めの人なら選択肢に入るでしょう。
シック極KIWAMIは、剃り味と肌へのやさしさを両立した隙の無い商品ですが、やはりジレット同様に替刃のコスパは最悪レベル。コスパを全く気にしせずに、最も安定感のある剃り心地を手に入れたい人にはオススメできます。
最後に貝印AUGERですが、はっきり言って最高です。上の表では「髭が濃くてコスパ重視の人にオススメ」としていますが、実際には全ての属性の人にオススメできる替刃カミソリの決定版だと思います。
AUGERが登場するまでは、コスパは悪いが総合的な完成度に勝る海外メーカー2社(ジレット・シック)と、コスパは良いが完成度で劣る国内メーカー2社(貝印、フェザー)という構図でした。それがAUGER以降では完全に貝印AUGER一強といって差し支えない状況へと一変したと言えます。
AUGERについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
この記事には広告が含まれています 貝印が2022年に発売した新型の替刃式カミソリ「AUGER」。 こちらのカミソリは、長らく海外メーカーの独壇場であった替刃式カミソリ市場に大きな地殻変動を起こしています。 アマゾンでも売り切れが続出、[…]
替刃式カミソリ市場は今後、大きな地殻変動を見せるでしょう。これまで海外メーカー製品を使っていた人も、もう高い替刃代金を払ってそれらを使う必要がなくなりましたからね。
替刃式カミソリは何にしようかと悩んでいる方、とりあえずAUGERを選択しておけば間違いありません。
国内メーカーの製品が合わずにジレット・シックを長年愛用している方、AUGERを試してみてください。
ようやく国内メーカーである貝印が海外メーカー2社に肩を並べて、コスパの面では圧倒できたことを大変嬉しく思います。
替刃式カミソリと言えば貝印・・・それが常識になる未来はすぐそこまで来ているのかも知れません。