各社カミソリ(ヒゲソリ)を比較、一番オススメの剃刀は意外な商品だった【貝印、フェザー、ジレット、シック】

男の身だしなみを考えた場合、真っ先に思い当たる要素の一つとして『髭(ヒゲ)』がありますよね。

自分はヒゲが比較的濃い方なので、髭剃り道具に関してはこだわりを持って選定しています。

この記事では、自分が実際に試してみた主要メーカーのカミソリ(ヒゲソリ)についてのレビューと、実際にどの商品がお勧めであるかを詳しく語って行きたいと思います。

カミソリメーカー

日本国内におけるカミソリのシェアーから、主要メーカー4社をピックアップしました。

貝印

カミソリだけではなく、調理器具などでも有名な国内メーカー。当初はポケットナイフを製造するメーカーだったものが、替刃カミソリの製造もおこなうようになり、そして現在のように様々な刃物を中心とした製品を製造、販売している。

個人的には包丁のイメージが強いですね。

フェザー安全剃刀

一般向けのカミソリよりも、業務用のカミソリや理容・美容関連商品で著名な国内メーカー。近年は一般向けの商品にも力を入れており、シェアを拡大している。ブランド名にある『フェザー』は、「羽根(Feather)で頬を撫でるような肌触り」を求める商品開発理念から。

ジレット(Gillette)

T字替刃式のカミソリを世界で初めて製造販売したメーカーで、元は『ザ・ジレット・カンパニー』という会社。2005年にP&Gへ吸収合併されて、同ブランドの商品は現在P&Gが販売している。剃刀の世界シェア一位。

シック(Schick)

電気剃刀を発明した事で知られるジェイコブ・シック氏が創設したブランドで、日本での販売は『シック・ジャパン』が行っている。剃刀の世界シェア二位。

各社フラグシップモデルの使用感と替刃価格の比較

【貝印】

KAI RAZOR axia(カイレザーアクシア)

5枚刃&サスペンションアームという、この手の使い捨てではないT字カミソリとしてはオードソックスな特徴を有した製品です。

水を含むと潤滑性能が上がる『モイストキープスムーザー』を搭載しており、肌への負担は確かに軽減されているように感じました。

刃の切れ味は流石は貝印というべきか、刃の性能不足で剃り残しが目立つような事はありません。

ただ、肌へのフィット感が特記して高い訳では無いので、刃の当て方や使用者が自分の髭癖を把握していないケースなどでは剃り残しもそれなりにあるんじゃないかとは思います。

最初に書いた通り、非常にオーソドックスな今風のT字カミソリなので、この製品が他の製品を試す上での基準になると思われます。

KAI RAZOR axia(カイレザーアクシア)替刃

8個入りでこの価格ですから、使い捨てではないカミソリの替刃としては非常に安価な部類ではないでしょうか。

フェザー安全剃刀

【フェザー安全剃刀】フェザー サムライエッジ

肌への負担軽減&密着度アップを目的とした縦の首振りに、他社のカミソリと比べて非常に特徴的な可動式の機構を備えていて、こういった仕組みが大好きな身としては大好物。

しかしそれが実用面で有効かと言われると、正直かなり微妙。

剃っている時にも「カコン、カコン」とこの可動部分が動くんですが、反応がやや鈍いように感じられて、ヘッドの動きに遅れる形で付いて行くような印象。

さらに言えば、こういったT字カミソリを利用する時に自分は人差し指を添えて利用するんですが、この可動部分がまさにその位置で、そこに指を当てていると動くので持ちづらいというのが大きな問題点でした。

刃の剃り心地は、表面をサァーっと撫でるだけで綺麗に剃れる刃という感じで、肌への負担が少ない印象です。

髭の薄い人にはこれで十分でしょうし、肌への負担が少ない点は大きなメリットでしょう。

しかし自分のように、ある程度以上の深剃りを求めている人間からすると物足りない剃り心地であるのも正直なところ。

貝印の『KAI RAZOR axia』と比べると、自分の実用上では少々剃り残しが多めでした。

フェザー サムライエッジ 替刃

価格帯としては貝印と同程度で、記事作成時点では少しだけこちらの方が高いですね。

こういった確りとしたホルダータイプのカミソリの替刃としては、貝印と並んでこれより安いものも中々ないでしょう。

ジレット(Gillette)

【ジレット(Gillette)】ジレットフュージョンプロシールド

自分は以前ジレットフィージョンシリーズのユーザーだったんですが、久しぶりに買って見たら結構変わっていました。

刃の前後にジェルスムーサーを搭載、サスペンションアームだけではなくフレックスボールを用いる事で横への可動性も備えており、肌へのフィット感は数年前のフュージョンより格段に向上していますね。

そして刃の直前には髭を立たせる目的と思われるギザギザしたクシのようなものが装備されており、これの存在もあってか以前のフュージョンよりも剃り味が向上したように感じます。

以前のフュージョンは刃の面積の広さと切れ心地を兼ね備えていましたが、どこか深剃りに不満のある剃り味かつ肌への負担が比較的大きい、「早くてキレイだけど浅いて痛い」という印象でした。

しかしこのプロシールドは、以前のものに比べて肌への負担が格段に軽くなり、深剃り性能に関しても十分満足できる水準まで高まったと思います。

ジレットフュージョンプロシールド 替刃

貝印やフェザーの替刃価格と比較してもらうと分かるように、国内メーカーの替刃と比べると格段に高くなっています。

国内メーカーのものに比べると単価で2倍以上しますから、替刃のコスパは低いと見るべきでしょうね。

シック(Schick)

【シック(Schick)】ハイドロ5 カスタム ハイドレート

5枚刃&サスペンションアームという装備は他社製品と変わらずですが、こちらの製品にはサスペンションアームの下にもう一段階衝撃を吸収する機構が備わっています。

これに関してはロックと解除を選べる仕様となっており、サスペンションアームだけで十分だと言う人はロックした状態での使用がお勧めです。

剃り心地としてまず特徴的なのは、これでもかと溶け出してくるジェル。

これは最初の頃だけの特徴ですが、シックのジェルスムーサーは他社のモノと比べても溶け出す割合が多いように思います。

剃り味、剃り心地としては、ジェルの存在感を横に置いておくのであれば目立った印象がありません。

しかしそれは決してマイナス点ではなく、つまるところ「過不足なくカミソリとしての役割を果たしてくれる」という印象に他なりません。

非常に総合力の高いカミソリだと思います。

実は少し前まで自分はハイドロ5をメインで利用していたのですが、その理由としては結果的に最も綺麗に剃れるから。

他社の刃は、肌に優しい代わりに深剃りが微妙だったり、逆に剃り味は良いものの肌への負担が大きかったりと「彼方が立てば此方が立たず」といった感じでしたが、ハイドロ5はトータルバランスに優れたカミソリで、結果として最も満足度の高い剃り心地を提供してくれていました。

ハイドロ5 カスタム ハイドレート 替刃

こちらも国内メーカー品と比べると倍くらいの価格となっています。

ジレットとの比較であれば多少安いとは言え、貝印やフェザーと比較した場合、その差は歴然としています。

フラグシップモデルの比較結果

  剃り味 肌への負担 替刃価格
貝印
フェザー
ジレット ×
シック ×

各メーカーのフラグシップモデル使用感を比較したところ、上記のような形となりました。

『剃り味』

実際に髭を剃る性能を包括的に見た評価ですが、貝印・ジレット・シックの三社に関してはどこを使っても大差ないという感想です。

あえて順位を付けるなら、ジレット>シック>貝印といった感じですが、その差は微々たるもの。

ただフェザーに関しては、自分としては少々物足りない剃り心地であった(剃り残しが比較的目立った)ので評価を下げています。

『肌への負担』

剃り味とのトレードオフになりやすい部分ですが、この部分では『剃り味』で評価を下げたフェザーが最も優れているように感じました。

逆に微妙だったのが貝印で、どうにも肌へのフィット感が弱く、要らない力が掛かってしまうような感触がありました。

『替刃価格』

こちらは単純に替刃一つあたりの単価での比較となりますが、言って見れば国内メーカー二社と海外メーカー二社で価格が二分化している状況ですね。

国内メーカーの方がランニングコストは断然安いので、その点は大きなメリットではないでしょうか。

最もお勧めできるカミソリはコチラ

各社の商品を比較した結果、ケースごとにお勧めのカミソリが変わってくる事を感じました。

  • 髭の薄目な方:フェザー サムライエッジ(必要十分な剃り味と肌への優しさ、そして替刃のコスパが良い)
  • コスパ重視の方:カイレザーアクシア(剃り味と替刃コストを重視、肌への負担も極端に高い訳では無い)
  • コスパより使い心地最優先の方:フュージョンorハイドロ5(替刃のコストに目を瞑れば、剃り味と肌への負担に対する満足度が高い)

このような感じで、それぞれにあったカミソリをお選び頂ければと思います。

…と、丸く収まった所で綺麗に終わるかと思いきや、そうではないのです。

各社のフラグシップモデルよりお勧めなカミソリ

ここまでは大手カミソリメーカー各社のメイン機種を比較してきましたが、実はこの比較は「とある商品」の優秀さを自分自身が再確認するために始めた事なのです。

その商品とは、

(c) kai corporation. and kai industries co., ltd

貝印が発売した替刃式カミソリと使い捨てカミソリの良いとこ取りな商品、『Xfit(クロスフィット)』です。

このクロスフィットは、替刃式カミソリと同じ替刃を使いながら、「ホルダーも数か月で交換する」という替刃式カミソリへの新しい提案を行っている商品です。

ホルダーも交換する

替刃式カミソリを使っていると直面する問題として、「ホルダーが汚れる」という事が挙げられます。

ある程度掃除しても、やはり細かな部分にまで入り込んだ汚れまでは落とし切れず、新品同様…とまでは言えない程度までしか綺麗にできなかったりしますよね。

その点、このクロスフィットは替刃だけではなくホルダーまでも交換してしまおうという新発想から成り立っている商品です。

基本となっている替刃4つ+ホルダーというパッケージは、替刃を2週間ごとに交換(つまり8週間使用)したらホルダーごと新しいものに買い替える事を想定して作られている商品です。

こう聞くと、コスパが悪いのでは?と感じると思いますが、この商品はこれまでの替刃式カミソリに比べると非常に安価な価格設定となっているので、約2か月間のランニングコストで500円程度という高コスパを実現しています。

ここまで安く出来る理由の一つは、ホルダーがプラスティック製である事が挙げられます。

同社の『カイレザー』や他社の替刃式カミソリのような重さのあるホルダーではなく、非常に軽いホルダーなので最初は違和感があるかもしれません。

しかし使って行けばそれにもなれますし、むしろこの軽さが手になじむようになってきます。

替刃式カミソリとしての剃り味

替刃の性能は同社の『カイレザーシリーズ』と同等ですから、安い分だけ剃れないなんて事もありません。

むしろクロスフィット最大の美点は、数年間の使用を前提とした耐久性を要求されない事による肌への高フィット性にあります。

(c) kai corporation. and kai industries co., ltd

ヘッドの部分が柔らかい素材で出来ており、ここが上下左右に可動する事で肌への密着度を増すことが出来ています。

こういった構造が可能となっているのも、これまでの替刃式カミソリのような数年間の利用を想定した耐久性を要求されていないからこそ。

ホルダーを交換する仕組みは、衛生面以外でも大きな意味を持っているんです。

実際の耐久性

商品の説明には、2週間×4個の替刃を交換したらホルダーごと交換する旨が記されていますが、実際にはそこまで頻繁に交換する必要はありません。

替刃は2週間で交換するのは惜しいぐらいに良く剃れますし、ホルダーも2か月程度の利用ではピンピンしています。

自分は3か月前からこの商品を使っていますが、まだ商品の買い替えを行っていません。

替刃の交換は月に一回程度で、今現在は最後の替刃を装着して利用している状況です。

すでに新しい替刃&ホルダーのパッケージは買ってあるので、いつでも交換は出来ますが、このままいつまでも使って居られるんじゃ?と思ってしまうぐらい実用上は何の問題もなく使い続けられます。

一応念のために1か月ごとの交換としたとしても、4か月間使える事になり、年間のランニングコストも驚くほど安くなります。

安いので是非一度お試しを

ここまでクロスフィットの良さを語って来ましたが、とりあえず物は試しという事で、実際に使ってみて頂きたいです。

替刃が4つセットになってこのお値段ですから、そういった意味でも試しやすい商品と言えるんじゃないでしょうか。

ホルダーの軽さに最初は慣れないかもしれませんが、使って行くうちに寧ろこの軽さが癖になります。

数年間の耐久性を要求されないからこそ可能なヘッドの可動性を、是非とも体感して頂きたいです。